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Virus 35
2007/04/10(Tue)
 中は期待通り空調が効いていて、外と比べれば寒いくらいであった。低い排気音のする方で観葉植物の葉が細かく揺れている。
 中央に構えるエレベーターは四階で停まっていた。階数を表示した電子パネルは現在停まっている回数を表示するだけのもので、最上階が何階なのかはわからない。外から見た限り七階が最上階であるようだったが。
 中田が上向きの三角形を模ったボタンを押す。モーターの駆動音がして、パネルの階数がみるみる下がっていく。
 チンと軽い音がしてドアが開いた。
 無機的な照明に照らされた空間がぽっかり穴をあけた。
中田が入る前に杏子が入って、その後に彼が続いた。
五〇三号室はエレベーターを降りて右手側の奥にあった。部屋のドアとドアの間の距離が中田の足で二十歩弱といったところか。中の部屋は思っていたより広いようだ。
部屋の手前で再びドアホンを押すと、応えの代わりにドアが小さく開いた。
 隙間から顔だけ覗く女性は、一旦ふたりをねめつけるようにして観察し、それを終えると、急に興味を失ったようにバタンとドアを閉めた。
「ちょ!」
 焦った中田がドアノブに手を掛けようとするのを杏子が手で制した。
 と、ガチャガチャと金属を擦る音がして、それから今度は大きく手前に開いた。
「入って」
 そう短く言って出てきたのは、紺のジーンズに白のTシャツを着ていた。髪は無造作に後ろでシニョンにまとめてある。それですぐには気がつかなかったが、中田には見覚えのある顔だった。その女性の名前も、確か広瀬美可であった。ただ、服装だけでなく、雰囲気もどこかしら違っているように感じたが。

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