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Virus 25
2007/02/20(Tue)
 中田がその記事を眼にしたのは、次の日、つまり二四日の朝、警察病院のベッドの上であった。
「中田先輩、おはようございます。お加減いかがですか?」
と、新人の女性刑事が淹れてくれたお茶に口をつけて、朝刊に眼を通す。刑事の名前は宮崎といったと中田は記憶している。
一面には成田空港での爆弾テロの記事がでかでかと載っており、その横にはエルトリア大使館で乗用車の爆破炎上とあった。犠牲者は一人で、エルトリアの元一級書記官、ハンス・ルロイとある。なにぶん大使館の敷地内でのことなので、警察が詳しい調査を行えなかったようだ。エルトリア側の声明を鵜呑みにするなら、彼は成田でのテロの実行犯であり、追い詰められて自殺したということだ。
「ルロイ……あそこの塾長が?」
中田が呟くと、ドアのほうからから返答があった。
「彼が成田でゴミ箱に何かを入れた写真があるのよ。そして、そのゴミ箱から爆発が起こった。十中八九、L.S.U.ね」
 杏子だ。
「警視……おはようございます」
「あ、飯野警視。おはようございます」
宮崎も振り返り、敬礼する。
「ケーコちゃんおはよう。その写真がエルトリア側から持ち込まれたってとこが腑におちないんだけどね。でも、辻褄はあう」
「あいすぎじゃないですか?」
「そう。そんな写真は、どのタイミングでどこに爆弾が仕掛けられるのか、前もって知っていなきゃ撮れるものじゃない。実際、日本のテレビ局の映像には、どこにも写っていなかった。でも、証拠としては充分なのよ」
 頷きながら、中田は視線を新聞に戻す。
「それでは、実行犯は彼と狙撃犯の二人、ということになりますね。もうひとりは捕まえられたんですか?」
中田は一季を尾行していたので、昨日のテロについてはよく知らない。それでも、狙撃があって、その後爆発が起こったことは外国語学院で見たテレビで知っていた。
「いいえ。撃ったのはテロ犯ではなく、公安の一人よ。あそこの本部長が発表したわ」
「どういうことです?」
「本部長直々の命令で、ルロイが不振な行動にでたら狙撃するよう待機させていた、というのよ」
「が、間に合わなかった、と?」
「そういうこと。結局、テロは起こって、皇太子はここに運ばれた時点で医師に死亡を確認された。まぁ、このことは極一分の者にしか知らされていないけどね」
杏子は肩をすくめ、吐息をついた。
「昔からのしきたりらしいわ。王家とか皇族とか、そういう身分の人間が死亡した場合、その一族が確認を終えるまで公にしない。内乱を防ぐため、なのかな?」

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