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Virus 24
2007/02/16(Fri)
 一季は振り返り、つぐみを見失ったことを知った。
「ちっ」
 舌打ちして駆け出そうとする彼の後方で、何か重いものが倒れこむような音がした。
 一瞬戸惑ったが、その方向につぐみがいるはずがない。彼女は一季の前を歩いていたのだ。気になりはしたが、一季は無視することにして駆け出した。
 その彼の右前方から悲鳴があがった。
 つぐみに間違いない。
「つぐみ!」
四〇代半ばの薄汚い浮浪者風の男が、女の子を組み伏せていた。
「ちょっと、離せ!離してよ!」
 つぐみは逃げ出そうと必死にもがいてはいるが、いかんせん大の男が相手では無抵抗に等しく、男を喜ばせるだけだ。
「このぉっ」
 激昂して勢いよく飛び出した一季は、すかさず男の脇腹を蹴り飛ばす。次いで股間を蹴りつけ、蹲ったところを襟首をつかんで近くの大木に叩き込んだ。
 男はたまらず昏倒した。
 一季は肩で息をしながらも、つぐみの傍まで駆け寄ると、手を取って立ち上がらせた。
それから、そっと抱きしめてあげる。
「ごめんね。ごめんね」
 腕の中でしゃくりあげる彼女の声に胸をなでおろす。
 そこに油断があったのかもしれない。
――!
首の後ろに激しい鈍痛を感じるやいなや、一季はつぐみに倒れこむようにして意識を失った。
 その寸前、つぐみがもう一度「ごめんね」と言うのを聞いた気がした。

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