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Virus 124
2009/03/15(Sun)
 どんなことを聞いていたのかは窺い知れないが、彼女の言う事を信じれば、まだ国土調査室の面々は身動きが取れる状態を確保している、ということだ。シェリーを完全に信じたわけではない。信じた訳ではないが、信じたい部分が大きすぎた。言葉の通じない国に来て、心細かったのもあるのかもしれない。ふたりの表情を見てシェリーは、
「良くも悪くも、日本人ね」
 そう評した。そして、ふたりの鼻先に指を突きつける。
「まず疑いなさい。周囲は無関心ではない。みんなあなたを狙っている。引ったくり、詐欺、拉致。思惑は人それぞれだけど、あなたたちみたいな、呑気な日本人はいいカモだということを覚えておきなさい」

 CIAとの合同調査といっても、名目上のことで、シェリーには調査内容は知らされておらず、実際は日本警察から逃亡中などとは夢にも思っていないようだ。シェリーはシェリーで、当然、別件の調査で赴任しているわけで、その合間で中田たちを案内する程度の依頼らしい。
 シェリーが案内してくれた宿は、帝都の外郭寄り、つまりダウンタウンに位置した。
 彼女の説明では、さらに内壁の中がアッパータウンで、官庁などもあるという。
 ドアを開けようとした途端、「あ、シェリー」「お帰り!」と甲高い声が弾け、その奥の古びた家具の向こうから四十代と思われる女性が顔を覗かせた。
 しがみつく子供たちを、引きつった笑みで引きはがしつつ、「お客をつれてきた」と英語でシェリーは中田たちを紹介した。
「いらっしゃい」
 同じく英語で返した女性がどうやらここの女将であるらしく、相好を崩してエプロンで手をぬぐった。


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