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Virus 122
2009/02/16(Mon)
「重要ですよ。日本語、通じない国に来たんですよ?もう、不安で不安で」
確かに、事が急に運びすぎて、中田は失念していた。なるほど、確かに、と頷いている間に、宮崎は売春強要だとか人身売買がどうの、だとか物騒な単語を並べて、最後に
「英語なら、そこそこ使えるかもしれません」
と、締めた。
「かも?」
「英検ならニ級もっています」
 ちなみに、中田は三級であった。受けたのは中学三年のとき。内申書の評価上げのためにとった覚えがある。ニ級だと高校卒業レベルであったはずだ。
 しかし、エルトリアの公用語は、英語だったであろうか。
「はろー」
 とりあえず、宮崎が笑いかけた。思いっきり引きつっている。
 で、相手の白人女性は、脱力したように肩を落とし、眉間をつまむようにした。中田でもわかるジェスチャーだ。
「日本語でけっこうよ」
 言外に私の日本語のほうが通じる、と言っている。
「まい、ねーむ、いず、ケイ……、え?」
 気張っていた宮崎の眼が点になった。それから、すごく安堵した表情をつくる。何年ぶりに英語をしゃべったのだろう、と中田は盗み見た。
「ちょっと来なさい」
 白人女性は背後のコーヒースタンドを顎で指すと、宮崎の手からスーツケースをもぎ取ってスタスタと歩き出した。その後ろ姿は、中田でも格好いいと素直に賞賛するくらい様になっていた。左手で引いているスーツケースの、妙にでかい水着を来たブタさんマスコットが違和感大(だい)だが。

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