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Virus 117
2008/12/14(Sun)
 成田でのテロは、それまで水面下で動いていたナニカが、初めて表に形となって現れた結果であった。アリウスを掲げる皇太子派にとっては待ち望んでいたことであり、逆に起こってほしくなかった事件であった。
 水面下で動いていたのが、自らの息子を帝位に就けんとする皇太后と、彼女を担ぐその周辺貴族たち、そして陸軍であることはわかっていたが、何かしらの事件性がなければ公安警察を動かす事もできなかった。だが、何も起こらずに済むことを望んでいたのは、アリウスが甘いと、そう言い切れるだろうか。
 アリウスは先の皇后の子であり、現皇太后は義母にあたる。その義母が六年前に子をもうけ、その子がユーリル。つまりアリウスの弟で第二帝位継承者である。母親が腹を痛めた我が子をよりよい環境に置きたい。よくある図式だ。それだけに、アリウスはこの関係について不運だとは思っていない。アリウスの不運は小児で発症した癌と、その天才的な頭脳であった。
 アリウスの体に癌が見つかったのは三歳のとき。余命は片手で数えられる年数と言われたが、現在もまだ生きている。生きてはいるが、しかし、一年後には死んでいるかもしれない。そういった爆弾を抱えた身体の皇太子を周囲は腫れ物に触るかのように扱い、遠ざけるようにした。父も、それは皇帝としての義務からとは言え、後添えを娶り、元気な子をもうけた。国家中枢の半分は、皇太子が帝位に就くことを望まなかったのである。
 成田でのテロは、要するにテロに見せかけたクーデターであった。そこから計画的に生還したアリウスは、自身のタフさをアピールすると同時に、首謀者たちの粛正を行った。それは無慈悲とも言われるほど凄惨を極め、極めつけが皇太子の目の前での、ユーリルの処刑であった。

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