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Virus 116
2008/12/07(Sun)
 アリウスは視線だけ左に向けると、そこにはファイルが差し出されている。それを受け取って二、三ページほど捲ってから表紙まで戻す。昨晩寝室でも眼を通したコピーだ。
「世論では風当たりは和らいできた、ということでいいのかな?」
「はい。国民性でしょうか。そんな事故があった、といった程度の認識はありますが、既にマスコミも含め、表立って騒いだりはしていません」
 ゴードンの回答にアリウスは頷く。
「どうもあの国は、執着心というものがうすいようです。いや、……」
 コンラッドはそう評しようとし、途中で言い換えた。
「アザラシが河口にいたとか、イノシシが道路を走ったとか、そんなことがニュースになって、そういう類いのニュースが連日入れ替わり立ち替わり報道されるのです。忙しいものですよ。中には放火とか強盗、または経済動向も報道されますが、平和だからこそのニュース、と言いましょうか。そんなわけで、国民の頭の中は毎日同じことを考えていられないのでしょう」
「羨ましいものだな」
アリウスは眼を細めた。
「はい」
 ふたりの男が首肯する。
「そのような国にしたいものだ」
 アリウスは席を立って、窓辺に寄った。窓を開け、外の空気を吸い込む。
謁見室は一階にあり、自分の居室のような眺めは味わえない。それでも、窓からさす陽の光は眩しく、そこから見える小さな丘陵は青々として別の感慨がもてる。
「ここからの眺めは美しいだろう?」
 アリウスは振り返らない。だから表情は窺えない。
「この国は小さくとも美しい。しかし、ほんの半年前まで、内乱のまっただ中だったのだよ。そして、一月前、私は、弟を殺めた。――この手で」
 静かな独白だった。

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コメント
- 【新卒サラリーマン研修終了に関して:その2】 -
お疲れ様です。ますまう寒くなってきましたね 12/8:研修:【新卒サラリーマン研修終了に関して:その2】研修編。新入社員【サラリーマン編】 自伝ブログも自分の【学生編】過去の当ブログにも、当時の写真・面白い・可愛い・画像・動画ありますので、時あれば、楽しんで見てやって下さい。 よろしければ、コメント等、評価等、いただけたら幸いです。







2008/12/07 22:10  | URL | 智太郎 #Cv7CRq2s[ 編集] ▲ top
- >智太郎さん -
★はっしーの世界へようこそ。
楽しんでいってください。
2008/12/08 22:49  | URL | ★はっしー #-[ 編集] ▲ top
- 管理人のみ閲覧できます -
このコメントは管理人のみ閲覧できます
2008/12/08 22:59  | | #[ 編集] ▲ top
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