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Virus 112
2008/10/06(Mon)
 オーク材の机について、パソコンを起ち上げる。執務室にあるラップトップはリンゴのマークのついたメーカー製だが、居室のパソコンは長く日本にいたメイドが組み立てたオリジナル品だ。部屋の美観を損ねないように机の上にはガラスコーティングされた液晶ディスプレイと無線のキーボード、マウスがあるばかりで、本体は机の下にある。
 いつもと同じようにまずメールのチェックをする。公用のアドレスに未読が十四件、プライベートなアドレスには三件あった。
 公用のアドレスには補佐官のスケジュール確認をはじめ、大臣からの催促やお願い、諸外国の元首からのメールであった。これらについては即決できるようなものには直ぐに返事すをし、悩んだ場合には『吟味する』とメールしておく。吟味とは、便利な言葉だな、と口の中で呟く。
 と、ドアのほうからコンコンとノックする音がした。控えめで注意せねば聞き逃しかねない大きさだ。
 アリウスは基本的には朝食をひとりで済ます事が多い。いや、家族でとらない、という意味なら、それは三度の食事すべてにあてはまるが。昼食、夕食は賓客やパーティであたりすることが多いので、気遣う必要もなく、ひとりで考えを巡らすも良し、何も考えずに頭を空っぽにして考えるも良しのこの時間を彼は大切にしていた。
そんな彼のために、側仕えの女官が起床前に朝食を持ってきてくれる。たまにこうして起きている事もあれば、寝ていることもあるので、心配りのノックである。それがうれしい。
「入ってくれ」
うれしくとも、多少慇懃に返答する。それが君主というものだ。
「失礼いたします」
そう断ってはいってきたのは、先月側仕えに登用した女官でカーシャといったか。肩で切り揃えられたプラチナブロンドにサファイア色の瞳。肌は透き通るように白く、しかしそれが鼻の上に少し残るソバカスをチャームポイントにしていた。以前は財務局に勤務していたと聞く。
皇帝の側仕えは現在、男女あわせて六名。皇帝から二親等内の家族以外では、唯一この六名だけが、一家の居住区たる奥宮にはいる鍵を持つ。それだけに、これまでの素行や学歴、出身から家柄など、こと細かな条件をクリアした者だけが選ばれる。彼女も才媛中の才媛ということだ。
「おはようございます。今日はお早いんですね」

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2008/10/06 21:07  | | #[ 編集] ▲ top
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