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Virus 104
2008/06/29(Sun)
 車は神田橋ランプで高速に乗った。このまま文京区の早稲田ランプで降りれば、練馬区だ。
 練馬区は大泉学園の住宅街にある中田のアパートは、木造二階建ての、ありふれた独身者用のアパートだった。一階と二階にドアが三つずつ。外観からみても、1Kあるいは1DKしかなかろう小さな部屋が、押し込まれるようにして計六世帯分入っているということだ。
 こんなものだろうと納得しつつ、宮崎は路肩に駐車した車の外に出て、二階の手前、中田が消えていった部屋を見上げた。
 ふと、子供の『ばななん、ばななん』という音程など全く頓着しない、されど微笑ましい歌声を風が運んできた。さらに遠くからはホイッスルの短い音とざわめきも聞こえてくる。今は夏休みの真っ最中のはずだ。部活か何かだろうか。
 練馬は都内でも有数の猛暑地帯ときく。しかし、確かに暑い事には変わりないのだが、車の排気音やクラクションが聞こえないと、なんと穏やかでいられることか。良いところだと感じた。
 しばらくして、ドアの外に姿を現した中田は、少しだけ部屋の中を見つめてから、足下に置いたボストンバックを肩にかけて、鉄製の階段を降りてきた。
「お待たせしました」
 言う中田の額には玉の汗が浮かんでいる。この酷暑の中、閉め切ったいた部屋の中で荷造りするのは拷問に近いものがあるだろう。
「いえ、大丈夫です。どうぞ」
 宮崎はハンカチを取り出して、中田に差し出した。
「ありがとうございます。市民にクーラーを返してあげないといけませんね」
 受け取ったハンカチで汗をぬぐった中田は、自分の暮らした部屋を仰ぎ見た。
「戻ってこられます。きっと」
 元気づけようとする宮崎に、中田は振り返って笑った。
「戸締まりの確認をしただけですよ」

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コメント
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あらどこかで聞いた地名ですことwww
2008/07/02 22:33  | URL | りょーちゃん #wr80fq92[ 編集] ▲ top
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何のことかな~?w
2008/07/03 22:26  | URL | ★はっしー #-[ 編集] ▲ top
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