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Virus 103
2008/06/01(Sun)
「中田先輩?」
 呼んでみるが応えない。
「中田先輩!」
 今度はもう少し大きな声をだす。
「え?」
 中田はやっと気づいたようで、視線を一度よこし、それからまた前に視線を戻して「すみません」と謝った。
「どうかなさいました?」
 宮崎は訊いた。
 訊かなくても、どうかしたのだ。公僕として法の下につくしてきた身が、今度はその公僕に追われる立場となり、しかも国外逃亡を図ることになってしまった。わかっている。
 だが、彼はこう訊いてきた。
「北沢美可とは、どうやって知り合ったんですか?いえ、海浜公園のナントカというデパートで、とは伺いましたが」
「――デパート?ああ、ASOBOですね?」
 やや、予想と違った返答に困惑しつつも、訂正した。
「昨日、あそこも停電があって、夕方前には火事まで起こってしまって。それで、逃げ遅れた仲、というか」
 そこまで言って、中田が眼を丸くして自分を視ていることに気づいた。信号は赤だ。
「よく、無事で」
「おかげさまで」
ぺこりと頭を下げる。中田が心配してくれたことがうれしかった。
が、次の中田の言葉でそんなものは吹き飛んだ。
「日頃の訓練の賜物でしょうか。そのお嬢さんも、さぞ心強かったでしょう」
 中田は感心してくれているようだが、宮崎としては居心地が悪いったらない。実際、行動的であったのはその『お嬢さん』のほうだったと思うし、その点で少し情けないと反省しているのだ。
「先輩、信号青です」
 上目使いに信号が変わったのを救いに、一旦話しを打ち切った。
「え?ああ。ありがとう」

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