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Virus 101
2008/05/21(Wed)
「失礼」
 大久保が受け取って、封筒を開く。
 差出人は北沢美可。住所は記されていないし、消印すらない。取り出したのは、航空チケット二枚とビザ二枚。
「なんと、手回しのいい……」
 呆れたような感心したような、そんな感嘆が口にでる。
「昨日、ウチに届いたんです。私の分も」
「けーこちゃんも!?」
 杏子の驚きに「いや」と大久保が首を横に振る。
「それだけ大事(おおごと)ということだろう。罠ともかんがえられるが、どちらにしろ飯野も中田も国外に出るしかない。宮崎さんも、このふたりを助けてやれ、そういったのだろう?その娘は」
「はい」
「ならば、その娘、もしくはその背後にいる何者かは、最初(はな)から宮崎さんを巻き込むつもりだ、ということだ。ここで日本に留まったら、狙われるかもしれんな。」
 大久保の言葉に、宮崎が体を強ばらせる。
 その肩を杏子は二度軽く叩く。
「渡りに船ね。とにかく、パスポートがいるわね。私は家だ。けーこちゃんは?」
「持ってきてます」
 宮崎はハンドバックからワインレッドの手帳を取り出す。
「覚悟、できてるんだ?」
「はい」
 宮崎は頷いた。
「中田クンは?」
「確か、以前とったのが。部屋に帰ればすぐ持って来れます。宮崎さん、いつの便でしょう?」
「予約は今夜八時の便です。急がないと」
振り向いた中田に、宮崎は即答した。
中田は、部屋の時計を仰ぎ見る。
「電車は使えない。と、なると車ですね」
「では、こうしよう」
 大久保の提案はこうだ。中田と杏子は各々の車で自宅までパスポートを取りに戻る。天崎と他一名のスタッフが京葉道路宮野木ジャンクションで待機して、三台がそこで落ち合った後、そのうち一台に杏子と宮崎、中田の三名が同乗して成田に向かう。残りの二台は国土に天崎たちが乗って帰ってくる、という寸法だ。
 杏子の意向により宮崎は中田の車に押し込められ、二台の車が駐車場を出たのは十六時をまわったところだった。

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