2017 10 ≪  11月 123456789101112131415161718192021222324252627282930  ≫ 2017 12
スポンサーサイト
--/--/--(--)
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
この記事のURL | スポンサー広告 | ▲ top
Virus 96
2008/04/13(Sun)
 一瞬の間の後、最初に口を開いたのは杏子だった。
「――女の子って言ったよね?」
「はい?ええ、はい」
「ケーコちゃんと同じくらいじゃなく?」
 宮崎はなぜそんなことを聞かれるのか、と言う風に不思議そうに杏子を視た。
「はい。小学校高学年ぐらいじゃないでしょうか」
 隣で顎に手をやって何やら考えている風だった中田は、思い立ったように、また自分のデスクからコピーを数枚取ってきたが、納得のいかないような顔をして、天崎に声をかけた。
「使えるパソコンってありましたっけ?」
「えーと」
 天崎は部屋内を見回す。杏子と自分のデスクに視線を戻して、それから自分のノートパソコンを差し出す。
「内蔵バッテリーで動くのは、これだけですね。今、必要なんですか」
 いつ充電できるようになるかわからない状況だ。慎重にもなる。
「はい。すぐに済みます」
「わかりました。ネットには繋げなくしてありますが、それでよければ」
「すみません。コピーだとモノクロなんで」
 言って、中田はノートパソコンを経ち上げた。それから、フラッシュメモリをスロットに差し込んで、中のファイルをデスクトップに表示させる。目的の画像ファイルはすぐに見つかった。それを画面いっぱいに拡大表示させて、宮崎の前に置いた。
「ひょっとして、この子じゃないですか?」
 中田が宮崎に見せたのは、湖を背景に、ピースサインをするひとりの少女の写真。
「ああ、そうです。この子。でも、雰囲気がちょっと」
「雰囲気?」
 中田は聞き返す。
「なんて言うかな。写真に写るとき、ピースサインするような感じの子じゃなかったんです。冷めた感じの、それでちょっと生意気な子でした」
「双子の妹のほうなんです。この写真」
 ああ、と宮崎は納得しかける。が、次の杏子の言葉で、彼女は息をのんだ。
「十年くらい前の、ね」

←人気blogランキングへの投票お願いしますm(_ _)mぺこ
←FC2 Rankingへの投票もできればお願いしますm(_ _)mぺこ
この記事のURL | 連載小説 | CM(0) | TB(0) | ▲ top
コメント
コメントの投稿















管理者にだけ表示を許可する


▲ top

トラックバック
トラックバックURL
→http://kobochan.blog83.fc2.com/tb.php/263-861599cb

| メイン |
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。