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Virus 88
2008/02/17(Sun)
「そうか……。はじまったのか」
 少女は、そう口にした。
「え?」
 聞き返す宮崎の瞳を、少女は見ようともしない。
「人類は自らが創造したものに見放され、次に創造主にも見放される」
 その口調はいたって淡々としていた。
「いや……」
 突然、少女が宮崎を振り仰いだ。
「宮崎恵子、警察庁監察部管理官付だったよね?」
 よく覚えている。手帳を見たのはほんの一瞬だったはずなのに。
 宮崎は黙ったまま、頷いた。
「前任の飯野杏子と中田正義。あのふたり、明日、明後日には逮捕されるよ」
 宮崎は息をのんだ。
 突風が、髪をなぶるように吹きすさる。
「助けてあげなよ」
少女は宮崎から視線を外さずに続けた。
「ふたりを知っているの?」
 いろいろ訊きたかったが、やっと出た言葉はそれだけだった。
「知ってる。会ったのは一回だけだけど」
 少女はポシェットから取り出した紙にペンを走らせ、それを宮崎に押し付けた。
「ふたりを知るあなたに、私を会わせた。創造主は、まだ人類を見放していない。足掻きなさい」
 少女は、それからくるりと向きを変えて、その場を去ろうとした。
 その肩を震える手が捕まえた
「どうして。どうしてふたりは逮捕されるの?」
「無知は罪だけど、禁断の果実を受け入れるのも、また罪」
 少女の瞳から感情は読み取れない。
彼女は宮崎の手首を持ち上げて、肩から外す。
「何言ってんのかわからない」
 嫌な気分だった。
 爆撃にあったような無惨な景色も、一向に下がる気配のない気温もそうだが、自分の知らないところで、何かが起こっている感覚。そして、その何かに否応無く巻き込まれていく不安。
 しかし、少女は応えてくれない。
 その『少女』という、一般に守るべき存在にすら救いを求めている自分も嫌だった。
「名前、教えて」
 宮崎は最後にそれを訊いた。
「職務質問?」
少女が笑う気配がした。
「北沢――美可」
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