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Virus 79
2007/12/17(Mon)
 時間を少しさかのぼる。
「あぁ〜涼しい〜〜」と、うだるような暑さの外から空調の効いた部屋に入ってきた杏子が、天崎から報告をうけて、中古パソコンのモニタを覗き込む。
「確かにこのMOなのね?」
杏子がマウスを操作してエクスプローラを再度開く。
「ええ。オリジナルのMOと、自分が持って帰ったコピー。これはフラッシュメモリですが。それとバックアップにと、このパソコンにもコピーしておいたのですが」
 正確には、MOの中身をパソコン内のフォルダに落とした物を、天崎は私物のフラッシュメモリにコピーしたのだが、杏子への説明では端折った。
 再度開かれたMOの中身は空だった。
 パソコンの中にもなかった。
 OSには起動に支障がおきそうなファイルをユーザーが間違って操作しないように、はじめから表示されないように設定されているが、天崎がその設定を解除しても見つからない。ゴミ箱の中にもない。
「どういうこと?」
 杏子に尋ねられ、天崎は「ん〜〜」と唸ってから自分のノートパソコンを開いた。
「ひとつの仮説です」
そう言って、さらに鞄からCDを一枚取り出した。
そこに中田も出勤してきた。
「おはようございます」
「中田さん、おはようございます」
「中田くん、おはよう」
 ふたりと挨拶を交わし、自分のデスクに鞄を置くと、彼もふたりのいる中古パソコンの前にやってきた。
「信号機故障だって?」
 訊く杏子に中田は頭を下げる。
「遅れました。山手線はまだ動いていないみたいです。途中で地下鉄に乗り換えてきました。警視はよく遅れませんでしたね?」
「あたしは、ほら。早め出勤を心がけてるからね」
杏子はニヤッと笑ったが、すぐに真顔になって、目の前の中古パソコンを指差す。
「どうしたんです?」
訊く中田に、天崎が事をかいつまんで説明した。
 それからノートパソコンのワイヤレスLANをオフに設定してからCDを入れて起動させる。天崎の説明によると、CDの中身は一般的なものではないが、ある種のOSで、それで起動させれば、万一のときでもパソコンの中身のファイルを変更されずに済むのだそうだ。確かに、見慣れた起動画面とは違う。
 しばらくしてデスクトップ画面が表示されると、天崎は自分のフラッシュメモリを差し込んで、中身を表示させる。
 昨日実行したアプリケーションとテキストファイル、それと画像ファイルがいくつかあった。
 天崎はまずテキストファイルを開いた。
――Dウイルス感染から増殖プロセスの人工生命によるシュミレート――。
 テキストの最初にはそう書かれてあった。
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