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Virus 73
2007/10/28(Sun)
「いつでもいけますよ」
 天崎が顔を上げる。
「あちらさんが、よこしてきたんだってな」
 大久保が、中田の肩に手をやって、ディスプレイを覗き込む。
「ええ。目的はわかりませんが」
「中身みれば、わかることもあるでしょ」
 杏子も天崎の背後に立つ。
「やってくれ」
 大久保の言葉を受けて、天崎がMOをドライブにさした。
 キュルンキュルンとディスクが読み込まれ、途端に画面が暗転した。
 四人の前の、中古パソコンだけでなく、部屋の全てのパソコンのディスプレイ全てが真っ黒になっていた。いや、他のパソコンは電源自体が落ちたのが、パイロットランプさえも消えているのがわかる。
「なに?」
 その声と部屋の明かりが消えたのがほぼ重なった。
「ありえない!」
 誰かが叫んだ。
中田は窓に駆け寄り、外を確認する。
遠くに夕陽の残光の赤を残し、薄暗い中、車のヘッドライトだけが列をなしていた。隣のビルの明かりも消えている。
「停電じゃ、ない?」
 中田は、すぐさま内線をかけた。
と、二、三秒して何事もなかったように蛍光灯がついていく。
その中、天崎の薄い眼鏡に反射した明滅する文字列。
『Test Program of Dragoon』
「ドラグーン?」
 杏子がその末尾の単語を声にだす。
「飯野さんたちが探しているのも、そんな名前の石ですよね?」
 天崎が振り返る。
「そう。関係あるのか、ないのかわからないけど、暗示的ではあるわね」
 杏子は中田の隣まで来て窓の外を窺う。外は何事もなかったように、ネオンが輝き車が縦横に走っていた。
 その横の中田は、いぶかしむ表情で電話を置いた。
「異常はないそうです」
「近くで電気工事でもしていたかな?」
 大久保がおどけてみせて、それに「かもしれませんね」と口々に同調する。
 が、みな、わかっていた。停電が電源の入ってなかったパソコンを起動させることはない。
 停電に関してはうやむやになったままその日は、天崎はMOの解析を命じられ、中身をコピーして持ち帰り、中田たちも帰宅することになった。
 異常なことが起こったことに気がついたのは翌朝、天崎が出勤してからだ。
 件の中古パソコンを起ち上げてMoの中身を表示させたが、その中には何もなかった。一切が、消えていた――。


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