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Virus 69
2007/09/30(Sun)
「国土とはね。撤退か」
 隊長の呟きを背後に、杏子は身を翻す。
 SATとのやりとりで時間をとってしまった。ドアの向こうで待ち伏せされていることだろう。三人はドアの前には立たずに、横の壁に隠れるようにして身を置く。
――ピ。
天崎がIDキーで電子ロックを解除した。
 あとは何の抵抗もなくドアは開いた。
 一、二、三秒。きっかり数えてから部屋の中に踏み込む。
 予想に反して、そこには一人の女が、不適な笑みを浮かべて座っているだけだった。
「ようこそ、中田サン。おひさしぶり」
 間髪いれずに杏子が銃口を向けると、女はそう話しかけてきた。
 杏子は眉をひそめ、女を見据える。
「公安に揺さぶりをかけたらね」
女は立ち上がった。
「あなた、何者?」
 杏子の問いを完全に無視して、女は言葉を続ける。
「案の定。あなた方が出向いてきてくれた」
「キャサリン・マクドガル」
 中田は声に出した
外国語教室にいたキャシーに間違いなかった。
「覚えていてくれたんですね。嬉しい」
 キャシーはニコリとした。
 しかし、キャシーはあの成田でのテロの晩に焼死したはずだった。中田も病院で読んだが、新聞には三人の男女の死体があったと報じられてあった。
「生きていた?」
「ワタシはワタシですよ」
 キャシーはおかしそうに笑う。
「でも、遺体があったはず」
「炭化した死体の見分けがつくんですか?赤の他人が?」
それが答えだった。別人ということだ。
「ワタシは所長の意思を継ぎます」
 そう言って、キャシーは机の引き出しを探り始めた。
 それを、杏子と天崎の銃口が追う。
「やめておきなさい」
 キャシーはそれを睨むようにした。
「別に逮捕するために来たわけではないでしょう?」
「第一目標はそうですが、必要なら逮捕もします」
 天崎は銃を下げない。
「そう」
 キャシーが取り出したのは、何かのディスクだった。見た感じMOか。彼女はそれを無造作に放った。
 杏子と天崎は銃を構えていたため反応が遅れる。慌てて中田がキャッチするのと、目前を透明なシャッターがゴーンと落ちるようにして閉まるのが同時だった。
 部屋はキャシーがいる側と中田たちがいる側で完全に仕切られてしまった。
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2007/10/01 20:45  | | #[ 編集] ▲ top
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