2017 08 ≪  09月 123456789101112131415161718192021222324252627282930  ≫ 2017 10
スポンサーサイト
--/--/--(--)
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
この記事のURL | スポンサー広告 | ▲ top
Virus 65
2007/08/26(Sun)
中田の横で、杏子が無線のバンドをいじってる。ふいに、雑音混じりの声が拾えた。
『A班からE班へ。迂回三―九』
『E班。了解』
『D班。五―六から進行』
『こちらB班。C班、まだ現場についていません』
『C班。応答せよ』
『C班、急行中。あとイチマルで到着予定』
「公安の回線って、こんなに簡単に盗聴できるんですか?」
 地下の警備室でビルの警備員を慣れない手つきで拘束しながら、中田が横目で盗み見る。
「もともと米陸軍のデジタル回線だからね」
 杏子はそう応えたが、それは理由になっていない。
 中田は問おうとしたが、そこにラジオの音声が割って入った。
『ニュースです。東京駅付近のビルで立てこもり事件が発生しました。ニュースです。東京駅付近の……』
 民間からの情報発信が予想より早い。
『一階部分。避難完了』
『突入できます』
 無線から複数の声が重なって聞こえる。
『相手の数の確認を』
『ランクBが三人。ランクFが一人』
「ですって」
 杏子の横顔が、笑った。
 Bというのは中田たちであろう。となると、この階にもう一人誰かがいる、ということだ。
 杏子の隣に控えていた小柄な眼鏡の男が、コンソールを叩いた。途中で合流した国土調査室のメンバーのひとりだ。名前は天崎。
「公安が突入する前に確保しないといけないんですよね。替わってください」
男の指がキーボードを叩き、ビルのホストコンピュータに侵入する。
「侵入者は十八。全員しっかりと武装していますね」
「ちょっと待ってくれ。十八人?けっこうな人数ですね?」
 中田は知らずにドアのほうを見た。
「監視カメラ、出します」
 天崎の声で、中田と杏子の視線が手前の大小六つのモニタに集中する。
 そのうちのひとつに、紺の防弾チョッキに身を包んだ集団が押し入ってくるのが見えた。少なくとも十人いることは確かだ。
「ターゲット、わかりました。女性です。E.R.I.S所属研究員、キャシー・マクドガル」
←人気blogランキングへの投票お願いしますm(__)mぺこ
この記事のURL | 連載小説 | CM(0) | TB(0) | ▲ top
コメント
コメントの投稿















管理者にだけ表示を許可する


▲ top

トラックバック
トラックバックURL
→http://kobochan.blog83.fc2.com/tb.php/168-01f830ba

| メイン |
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。