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Virus 59
2007/07/26(Thu)
「どうぞ」
 そう言って、ノートパソコンのモニタを中田たちにも見えるよう返した美可が指し示したそれは、どう見ても、道端に転がった、ただの石ころの写真であった。
「これ……ですか?」
 杏子が石ころを指差しながら、美可の顔を覗う。
「ええ」
 美可は頷いた。
「父が『ロード・オブ・ドラグーン』として研究していた物は、それです」
 国立美術館に展示されている『ロード・オブ・ドラグーン』は、黄金の竜に縁どられた青緑の光を放つきれいにカッティングを施された親指大の宝石。かたや、美可の父が研究していた『ロード・オブ・ドラグーン』はその辺にも転がっていそうな、不恰好な黒い石でしかない。
「大きさはこのくらいかな?」
と、美可は顔の前で右の親指と人差し指で隙間をつくった。
「これが、あの石だという証拠があるんですか?」
 中田は釈然としない面持ちで問うた。
「証拠ってほどでもないけど、絵里から私宛の封筒なのに、手紙の筆跡が下手に書かれてあったけど父の字体だったこと。同封してあった五枚の写真のうち三枚が湖を背景(バッグ)に二人が写ったものだったけど、二枚はこういう道端の写真。この石がどちらにも写っている」
 わざと娘の名前で封書の表書きを書いたのは、国外に秘密を持ち出すためのささやかながらも偽装ということか。数十枚もの写真の内二枚が道端の写真なら、間違ってシャッターを切ったものが混じっていたとも考えられるが、五枚を選別した上で、二枚が道端の写真というのは、遠い外国から間違えて送ったとは考えにくい。
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