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Virus 7
2006/12/07(Thu)
赤坂と塩見が空港のロビーに入ったのは、ちょうどエルトリア皇太子の一団がウォークウェイを出でてきたところだった。
 記者団のフラッシュの中、シークレットサービスのチーフが歩を進め、皇太子の前で一礼する。これから先の警護は日本警察に委託される。と言っても、皇太子の傍には自国の護衛も数人、ぴったりとくっついてはいるのだが。
 その様子を階上のバルコニーからじっと見つめる男がいた。その男の眼は、護衛のひとりがダストボックスになにかを捨てたのを捉えていた。そのことに彼以外、誰も気が付いた様子がない。男は口の端を歪めた。
 彼は薄手のコートから、二つ折りの新聞紙を取り出した。その新聞紙から僅かにのぞく銃口の先にある護衛を捕らえる。
 と、その護衛が男のほうに視線をよこしたと思うと、素早く動いた。
――気付かれた!?
 男は慌ててトリガーをひく。
 しかし、やはり弾は大きくそれて、一瞬遅れで、傍にいた別の護衛が崩れ落ちた。
 ロビーでは、すかさず赤坂が皇太子の傍に駆け寄り、塩見は護衛の倒れた位置から狙撃犯を探ろうと視線を走らせた。その眼が階上で背を向けて離れていくトレンチコートを見出す。
「あれだ!」
 塩見は駆け出し、その後を何人かが追う。彼の眼の前にも、同じように犯人らしきトレントコートを追いかける護衛の姿があった。
 その護衛と塩見の数歩分の距離が運命を分けた。
 オレンジ色の爆光。
 それが皇太子の後ろから走り抜けて、周囲の者たちをまき込んで吹き飛ばした
 時間にして五秒ほどであろうか、爆発はすぐに収まった。
 赤坂はおそるおそる眼を開けた。自分の手が見える。その向こうに塩見やシークレットサービスが倒れているのが確かめられた。周りからは炎があがっている。熱い。
「塩見っ」
 上体を起こそうとしたが動かない。必死になって頭をめぐらせて理由がわかった。彼の両足は無残にも瓦礫の下敷きになっていた。
「ああ……」
 絶望的な呻きと共に、彼は意識を失った。
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