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Virus 57
2007/07/15(Sun)
「おそらく、あなたは書いたのでしょう?もっと直接てきな論拠を。言葉ではないのかもしれない。写真かなにか、かも」
 杏子はいったん言葉を区切った。そして視線を美可に固定したまま話さない。
 やがて、観念したように美可が口を開いた。
「勘、かしらね?違うでしょうね。ママに会ったんでしょ?そのとおりよ。私は写真を持っていた。いえ。正確には、持っていたわ。ロード・オブ・ドラグーンの写真を」
「持っていた?」
 杏子が訊き返す。
「ええ。残念ながら、過去形なの。処分されてなければ会社が持っているはずよ。可能性は低いでしょうけど」
 美可は溜息をついて、窓の外の行き交う学生たちを眺めるようにした。
「会社はね、記事を揉み消そうとしたのよ。それを印刷ぎりぎりのところで無理やりページを奪い返したんだけど、写真は届いてないって印刷屋に言われるし、記事も大半がカットされた状態で」
「ご自分で書き直せばよかったじゃないですか?」
 中田はそう言ったが、杏子は馬鹿にしたように横目で見ただけで、すぐに興味を失ったように、また外を眺めやった。
「入稿はね、とっくに済んでるの。印刷屋さんに届いたデータはチェック済みで、一介のライターがその後に口を挟む隙なんかないわ。印刷屋さんにも迷惑になっちゃうし」
「そういうものなんですか」
「そういうものなの。それに、その時にデータの中身を見せてもらったとしても、証拠の写真がなかったら、追記しても意味ないでしょ。写真を返せって言っても、受け取っていない、の一点張りだし」
「写真は、確かに会社に渡したんですね?」
 杏子はいつものメモ帳を開いて確認した。
「そう言ったでしょ?」
 美可が睨むように視線を返した。
「私も詳しくはないのですが、そう言った記事の写真って、画像ファイルでデータとして入稿するのではないのですか?」
「それでもいい場合もあるし。実際にそういうのが多いみたいだけど、ウチの出版社の場合、何らかの論文を掲載する場合は、その証拠をきちんと提出して学術チームにかけないといけないのよ。画像データでは修正がかんたんにできるから信憑性にかけるから、できるだけ現物でなくてはならないの。間違っていたり、嘘だったら誌面の恥でしょ?」
 美可が話しているうちに、オレンジジュースが美可の前に、アイスコーヒーが中田の前に置かれた。
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