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Virus 51
2007/06/21(Thu)
「美可……。あの子ですね?」
ええ、と頷いてから、中田は続けた。
「実はこんな記事を読んだもので」
 中田が月刊古美術を取り出し、机の上に問題のページを広げる。
 と、ああなるほど、と栄樹。自分の仕事を批判した記事である。当然、読んだことがあるのだろう。彼は雑誌を手にすると加奈子の正面に置いた。
 どれ、と加奈子が眼を落とす。
その間に、杏子は栄樹に質問をぶつけた。
「彼女は竜導石と、竜骨石が同じ物を指すと仮定した上で推論を進めています。つまり、この記事はその仮定が崩れれば、本当に単なる言い掛かりでしかなくなるのに、なぜ覆せなかったのでしょうか?」
「素人の妄想を仮定とした推論では、おもしろ半分につつく連中はいても、まともに反論する研究者はいなかっただけだ、という答えでは?」
栄樹は杏子を見つめたまま、テーブルの上で手を組んだ。
「確かに研究者はそうなのかもしれません。しかし、マスコミは違うでしょう?なのに、その真偽を追求することもなく有耶無耶にされてしまった。あのテロがあったから、デリケートな扱いになるにしても、です」
杏子の言葉に中田も補足する。
「私共には西域誌と神農本草経だけの記述だけでは、二つの名が同一物を指すと考えるのは無理があるように思えます。ならば、こうして誌面に出す以上、もっと決定的な証拠があったのではないか、と。それが研究者からの反論を退け、そして、マスコミも触れにくい、非常にデリケートなものにしたのではないか、と踏んでいます」
「そうですね。きっと美可は掴んでいたのでしょう。ただ、当時の後漢の皇帝がローマ皇帝に送った友好の証なわけですから、それなりに貴重なものだったはずです。そして、竜を冠した名だとすると、あながちありえないことでもありません。ただ……」

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