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Virus 45
2007/06/01(Fri)
さて、竜骨石については、栄二がエルトリアに渡って二ヶ月が経った頃の手紙の中にあった。
アメリカの資本で研究を始めたというよりも、エルトリア皇立研究所の設立自体が、アメリカの製薬企業『イージス』の資本によるものらしい。それは、イージスの理事が研究所を視察に来られた、という文章からも読み取れる。
イージスは一九八○年代に抗ヒスタミン薬エイテナを発売し、世界中にその名を轟かせた。抗ヒスタミン薬とはアレルギーの治療薬の一種で、アトピー性皮膚炎や花粉症の患者に投与される薬として一般的には知られている。
花粉症とは、花粉やハウスダストといったアレルゲンの体内への進入が、免疫系を活性化させることでおこる。このときの免疫系の主役がヒスタミンという体内物質であるわけだが、花粉症の患者はこのヒスタミンが過剰に分泌されるため、鼻水が止まらなくなったり眼の充血が起きたりするわけだ。これを適度に抑えるための薬が抗ヒスタミン薬。よくできた薬なのだが、ヒスタミンと、脳を覚醒させておくために必要な脳内物質セロトニンの構造が似ているため、そのセロトニンまでも抑制してしまい、しばしば眠気や口の中の渇きなどといった副作用が現れる。現在、医療機関で処方される薬は、その副作用が比較的起きにくい第二世代の抗ヒスタミン薬が主流となっているが、それでも副作用が現れないわけではない。
ところが、イージスの開発したエイテナはその眠気といった副作用の現れる率が顕著に低かった。資料によると一般的な抗ヒスタミン薬の三五パーセントと報告されている。それだけ聞くと、たいしたことのないように聞こえるが、一般的な薬でも副作用が現れない患者は多くいるのだから、投与された者で、副作用を訴える率はかなり低かったと言えよう。ただし、この薬にもやはり欠点というものはあって、欧米人と違ってモンゴロイドにはそれほどの副作用の起こる率に差がなかったのだ。日本の厚生労働省(当時の厚生省)薬事審議会の報告では、第二世代抗ヒスタミン薬の副作用出現率と全く差が認められなかったともある。それもあって日本で発売されることはなく、日本でイージスの名が一般的でなかった理由がここにある。

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2007/06/01 23:15  | | #[ 編集] ▲ top
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