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Virus 44
2007/05/26(Sat)
中田を見る眼が、剣呑な色を帯びる。
中田は、なんでそんな発想になるのかと、半ば呆れながら慌てて否定した。
「違います。例の織倉一季を尾行した時に、彼と接触があった人物なんです。彼は美術館で美可から名刺を受け取ったが、連れの女の子に捨てられた。その名刺はお渡ししたはずですが?」
 言われて「ああ」と、杏子は立って手紙を探す中田の腕の中に入る形で、デスクの引き出しをゴソゴソとあさりだした。
 彼女の後頭が中田の顔前にあり、香水なのかシャンプーなのか、柑橘系の香りが鼻腔をくすぐる。
これはいかん、と視線をずらすと彼女の引出しの中が見えた。文房具や書類に紛れて、ティッシュペーパーの丸めたやつなど、後から後から出てくる。これは彼女の部屋も想像できるというものだ。とりあえず、見なかったことにした。
「ん。これだ」
しばらくして杏子が手に取ったのは、A4サイズのプラスチック製のファイルで、中に挟まれていたのは名刺をコピーしたものだった。現物は鑑識に渡したままなのであろう。
「広瀬――母方の姓か」
ファイルをデスクの上に放り、それから記事を読むことに集中した。左の人差し指を顎にそえて、ときどき「ふんふん」と鼻を鳴らしている。どんな格好をしても様になる人間はいるものだ――中田はそんな感想を得た。
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