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Virus 40
2007/05/13(Sun)
 件の記事は巻頭特集にて。二ページ目に黒を背景(バック)に青緑に煌めく宝石のアップが飾ってあった。その左下には、エルトリア秘宝展より引用として、このようにある。
『古来より、持つものに永遠の命を与えるとされる宝石。後漢(現・中華人民共和国)よりシルクロードを通ってローマ皇帝に献上された品とされる。また、十九世紀初頭にエルトリア皇家にもたらされるまで度々その主をかえ、その都度流血をともなったことから斬血石とも呼ばれる。有名な所有者にヴラド・ツェペシュがいる』
 引用、とあるように、国立美術館の説明文そのままのようだ。そして、広瀬美可の見解は次のページからはじまる。
『まずはロード・オブ・ドラグーンという名前。今回の出展にあたっては竜導石という日本名も添えられていたが、これは一六世紀以降につけられた名前であるようだ。由来としては諸説があるが、一四三一年、時のローマ皇帝ジギスムントが、ワラキア地方の王に戦の功績を称えて竜公(ドラクル)の称号と共にこの石を授けたことから、というものが有力である。ワラキアは長くハンガリーに属していて、現在はルーマニアの一部になっている。当時のヨーロッパは度々オスマントルコの侵略を受け、その最前線であったワラキアは地政学上、大小の争いが耐えなかった。その度オスマントルコの侵入を防ぎ続けた彼の強さを、伝説のドラゴンの如くと称えたのであろう。その領主の名前がヴラド二世。後世の歴史家は、その称号からヴラド=ドラクルと呼び、その子供と区別している。その子供というのがヴラド三世。彼は捕虜にした敵兵を串刺しにして敵を牽制したことで有名で、二つ名をヴラド=串刺し公(ツェペシュ)という。かのブラム=ストーカーは、一八世紀に彼をモデルにした小説を執筆した。その小説にでてくる吸血鬼の名前がドラキュラ。ルーマニア語では単にドラクルの子という意味であるから決して悪い意味ではない。ただ、ドラクル(ドラゴン)が聖書において悪魔の化身として描かれていることと、串刺し公のその残虐ともとれる徹底した牽制の方法から、悪魔の子というニュアンスが強い。ロード・オブ・ドラグーンの流血の謂れも彼が所持していたことが大きいように思える。
 ところで、後漢の皇帝がローマ皇帝に『竜の石』を送ったという記述は、後漢書の西域誌にあるのだが、原書には竜骨石とある。その竜骨石については、この書以外では神農本草経という中国最古の生薬の書物にのみ、その記述がある。現代の漢方処方の原典ともいえる傷寒論の処方はこの神農本草経を再編したもので、いくつかの処方が追加、または逆に消されている。竜骨石もその消されたもののひとつである。
 古代の中国人がそれを真に竜の骨と信じていたのかは不明だが、その効能が事実なら、あながち誇大した名とは言い難い。曰く「魂魄を留める」とある。魂とは死んで天上に昇るたましいであり、魄は白く残る骨。これを留めるというのだ。すなわち不老不死。神農本草経に収載された三六五の品目は上薬、中薬、下薬のいずれかに分類されているが、この竜骨石のみ仙薬として別格の扱いとなっている。
その仙薬の項によると、外観は黒く硬質。成人男性の親指大の石とある。出展されたロード・オブ・ドラグーンは青緑の宝石。似ても似つかない。全くの別物なのであろうか。考えられることを列記すれば以下の通りだ。
①中国の史書とは、次の王朝の役人が編纂した物である。よってその王朝によって都合の悪いことは省かれたり書き換えられたりされている場合がある。竜骨石も何がしかの理由により事実と異なる記載がされた可能性。
②ローマ帝国の時代から一五世紀までの長い時間の間に紛失し、別の石が竜骨石と呼ばれる物に取って代わった可能性。
③宝石のなかには、原石と加工したものでは全く外観が異なってしまう物が多々ある。竜骨石もそういう原石であったという可能性。
 他にもいくつか考えられるが、この真相は国立美術館の名誉のためにも究明してほしいものである』

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コメント
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2007/05/13 22:13  | | #[ 編集] ▲ top
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推敲のコメントありがとうございます。
言い回しの訂正を行いました。
2007/05/13 23:59  | URL | ★はっしー #-[ 編集] ▲ top
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