Virus 105
07/06/2008(Sun)
ふたりは当初の予定通り、首都高速七号線を京葉道路の宮野木ジャンクションを目指していた。
と、ラジオチューナーの前のフックに固定された中田のケータイがふいに振動した。
「あ、電話……」
呟く宮崎がフックからケータイをはずして差し出すと、中田はそれを一瞥してから「お願いします」と頷いた。
着信を表示するケータイ背面の小さな液晶パネルは飯野警視とあった。
一度はう〜んと躊躇いながらも、通話ボタンを押し、耳に当てると
「遅い!」
と、一括されてしまった。
「はひっ」
自分でも変な風に声が裏返ったのがわかった。
「ごめんなさい。飯野警視。でも、中田先輩のケータイに私なんかが出ちゃうのも……。いえ、先輩が出てくれって言ったんですが――」
気づくと早口で弁解していた。
「あ〜〜。わかった。うん、わかったから……」
杏子の声色があやすようになった。杏子のほでも、失敗したと思っているのだろう。
「ケーコちゃん、いい?落ち着いて横の唐変木に伝えて」
杏子は、宮崎の相槌が大人しくなるのを待ってから、そう切り出した。
「まだ、宮野木ジャンクションについてないよね?」
宮崎は周りの景色と道路標識を確認した。
「はい。まだ高速にも入ってないです」
「よかった。七号線には入らず、湾岸線から向かってほしいの」
車で成田空港に向かう場合、予定していた首都高速七号線から、京葉道路宮野木ジャンクション経由で東関東自動車道のルート以外に、首都高速湾岸線から東関東自動車道に繋ぐ二つのルートがある。一般的には湾岸線ルートが推奨されているようだが、たいていは渋滞情報などを見ながらルートを選定する。
「湾岸線から行けって、警視が」
宮崎は通話口を左手で塞いで、中田の反応を待った。
「なにがあったのかと、合流ポイントを確認して下さい」
中田の視線がサイドミラーとバックミラーを忙しなく行き来した。
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と、ラジオチューナーの前のフックに固定された中田のケータイがふいに振動した。
「あ、電話……」
呟く宮崎がフックからケータイをはずして差し出すと、中田はそれを一瞥してから「お願いします」と頷いた。
着信を表示するケータイ背面の小さな液晶パネルは飯野警視とあった。
一度はう〜んと躊躇いながらも、通話ボタンを押し、耳に当てると
「遅い!」
と、一括されてしまった。
「はひっ」
自分でも変な風に声が裏返ったのがわかった。
「ごめんなさい。飯野警視。でも、中田先輩のケータイに私なんかが出ちゃうのも……。いえ、先輩が出てくれって言ったんですが――」
気づくと早口で弁解していた。
「あ〜〜。わかった。うん、わかったから……」
杏子の声色があやすようになった。杏子のほでも、失敗したと思っているのだろう。
「ケーコちゃん、いい?落ち着いて横の唐変木に伝えて」
杏子は、宮崎の相槌が大人しくなるのを待ってから、そう切り出した。
「まだ、宮野木ジャンクションについてないよね?」
宮崎は周りの景色と道路標識を確認した。
「はい。まだ高速にも入ってないです」
「よかった。七号線には入らず、湾岸線から向かってほしいの」
車で成田空港に向かう場合、予定していた首都高速七号線から、京葉道路宮野木ジャンクション経由で東関東自動車道のルート以外に、首都高速湾岸線から東関東自動車道に繋ぐ二つのルートがある。一般的には湾岸線ルートが推奨されているようだが、たいていは渋滞情報などを見ながらルートを選定する。
「湾岸線から行けって、警視が」
宮崎は通話口を左手で塞いで、中田の反応を待った。
「なにがあったのかと、合流ポイントを確認して下さい」
中田の視線がサイドミラーとバックミラーを忙しなく行き来した。
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