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Virus 27
2007/02/28(Wed)
 退院の手続きなど面倒なこと諸々は、宮崎が喜んで引き受けてくれるというので、全て押し付けて、中田と杏子は警視庁に三〇分とかからずに到着した。
 管理官室の前で杏子と別れ、中田は奥の部長の部屋へと急ぐ。部長直々の出頭命令というのだから只事ではないはずだ。やはり、今回の失敗の責任追及であろうか。
 部屋をノックしていざ入ると、新聞を広げていた部長が露骨な愛想笑いを浮かべた。
「この度はご苦労だったね。ま、なんだ。長い警察官人生、いろいろとあるよ。新しい部署でもがんばってくれたまえ」
 差し出された通知書を見て、中田は事情を悟った。
「転属ですか」
 心持ち、言葉尻が小さくなる。
「ん?なんだ、知らなかったのか?杏子君たってのご推薦なんだが。栄転だよ、栄転」
「は?」
 中田は自分がいまどんな間の抜けた顔をしているだろうかと思った。今回の不始末で降格処分をも覚悟していたのだが。
「いや、杏子君も前から国土のほうから再三誘いがあったのにずっと断っていたらしいんだがね。いい機会だから一緒に、と」
 いい機会とは、どこが『いい』なのかは中田にはわからない。おそらく本庁にとってのいい機会なのだろう。キャリアが不始末を起こすと、それがどんなにひどいものでも、まずもって自身は責任をとらない。ひとりのキャリアが責任を取れば、そのキャリアを登用した側の責任も追及せねばならなくなり、最高幹部の人事に影響がでてくるからだ。よって処分は、形の上では栄転ということにして一階級昇進させ、どこぞかの県警本部に転任させる。杏子の場合、以前から話があった国土とかいう部署にやっかいばらいされるわけだ。
 しかしそういった処分も、前述したとおりキャリアであるからであって、ノンキャリアである中田に適用されるわけがない。
「いい機会って……。拒否します」
 中田は言い放った。
 と、部長の眼に狼狽の影がかすめた。
「何を言い出すんだ?美女とふたり連れ立っての栄転だぞ。何が気に入らない?」
「自分に相応の処分をくだしてください」
 どこまでも実直な男だ。
 しかし、部長は陰惨な眼つきで中田を睨んだ。
「いいかね、中田警部補。杏子君がかばってくれていなかったら、ノンキャリアの君など交番勤務に戻されていたんだぞ」
やはり、と思った。杏子は行きたくない部署への転属の交換条件として、中田の降格取り消しと、なぜか自分と同部署への異動を上層部に提示したのだ。そんなことが通るのも管理官だからであろうか。中田は吐息をひとつ漏らした。
「それでいいんです」
「よくない」
 部長は右手の平で机を叩き、唾を飛ばす。
「いいかね?これはすでに決定事項だ。杏子くんが去って、それで事は丸く収まる。それで万事解決するんだ。君もわがまま言うな」
どこが、解決なのか。自分はわがままなのか。突っ込み所はいくつもあるが、聞いてもらえそうにない。結局、この男は杏子を警視庁から追い出したい。それだけなのか。
「あの……」
「あのもそのもあるか!国土に行け。もう一度言う。これは決定事項だ!」
 一方的に言い捨てると、部長は新聞を広げて、唯一中田からみえる左手を追い払うようにした。もう聞く耳もたん、ということだ。
 中田は通知書をスーツの内ポケットにしまい、新聞に向かって敬礼すると、部屋を後にした。

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小説
2007/02/26(Mon)
このブログに訪れてくださるゲストのみなさんは、
大なり小なり作家という職業に興味ある人が多いかと。
今回はその作家のお話。

自分はけっこうインスピレーションで本を選ぶほうですが、
一度読んだ作品が気に入れば、その作家さんの作品を全部読みたくなります。
ここ最近では有川浩さん。
出会いは一昨年。メディアワークスからでているハードカバー『海の底』。

学生時代、ワクワクしながら読んでいた本も、歳を重ねるごとにその高揚感が感じられなくなり、
「おもしろい!」と感じても、隣で冷静な自分が見ている。
そんなことが続いていたのですが、それを思いっきり払拭してくれた作品。
次!次!とページを繰っていきました。
次の展開が気になり、ラストが気になり、
はやく次のページが読みたい。読み飛ばして最後も見ちゃいたい!
見てはいけない!その一行一句に浸っていたい!
読み終わりたくない!まだ、この世界のなかにいたい!
それらの葛藤が快感に感じてしまう。そんな作品でした。
まだ読んでない人もおおいので詳しくは書きませんが、
作者も言ってますが、現代版15少年漂流記です。
閉塞された空間での人間模様が好きな方、ゼヒ読んでください。

で、なんで一昨年の話をしたかというと、つい先日『クジラの彼』という短編集が角川から出版されて、その『海の底』のスピンアウトがはいってたからです。久々にあの世界に浸かれました。
『空の中』『海の底』など読んでからの読書を推奨します。

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Virus 26
2007/02/23(Fri)
「そうなんですか」
気のない返事を返した彼には、もうひとつ気になることがあった。一季のことだ。
昨晩、上司の指示で一季とつぐみを尾行していた中田は、上野公園を出た辺りでふたりを見失ってしまった。そればかりか、探しているうちに背後から襲われ、それから先の記憶がない。なぜ、ここで寝ていたのかもわからない。
――テイタラクだ。
 自分も警察も、だ。皇太子と一季の件、二重の失態である。中田は眉間に皺をよせつつ茶を啜った。
「あの、お茶、汲みなおします」
 ただでさえ気難しい顔立ちなのである。新人の女性刑事が、自分が淹れたお茶がまずかったのだと勘違いしても仕方あるまい。彼女はそそくさと湯呑みを引っ込めた。
――また、やってしまった。
 中田はさらに気が沈んだ。
と、
「もう少し愛想よくしてもいいでしょうに。このトウヘンボクは」
 彼女は一言断りを入れて、ベッドの横の椅子に腰掛けると、中田の読んでいた新聞をくり「ここ」と言って東京面の一隅を指で示した。
――新宿にてビル火災。
そのビルとは、あの外国語教室のあるビルに間違いなかった。記事に眼を通すと、火災のあったのは昨晩二〇時頃、遺体が二階に三体。二〇歳前後の男性、二〇代後半から三〇代の長身の女性、一二、三歳ほどの女児。
「これって……」
中田は杏子の顔を見る。彼女の表情はいたって無機的であった。
「まだ断定はできないけれど……。それで、訊きたいのよ」
「はい」
「キミが上野公園で、だらしなく伸びていたのを発見されたのが二一時半。何時までの記憶が残っている?」
一言多い上司にも中田は応える。
「一九時をまわったあたりかと。織倉一季たちをおって美術館をでたのが一八時四〇分でしたから」
杏子は手帳を取り出しメモをとる。
「ん。となると出火時間にはギリギリ間に合うかな。――医者の診断では首の後ろに殴られた痕が残っているというけど?」
「すみません。御徒町方面に行く途中でふたりを見失いまして……。それで探しているところを、後ろから誰かに殴られ……たんだと思います」
 中田は俯いた。耳が赤くなっている。
 杏子はそんな中田の顔は見ず、首の後ろの痣に注目した。ややうっ血はしているが、外傷は見当たらない。
「首、まだ痛む?」
「いえ」
 言って、中田は首の後ろに手をまわす。が、痣になっていない部分も含めて撫でただけで、首をかしげる。
「痛みはないです」
「鎮痛剤も射ってもらったしね。気分は?」
「だいぶいいです」
 落ち込んではいるが、そういう事を聞いているのではなかろう。
「ありがと。それじゃ……」と杏子が手帳をしまい、中田に起きるよう言おうと立ち上がると、給湯室にいた宮崎が戻ってきた。
「あ、飯野管理官。よろしいですか?」
彼女は盆に乗った湯呑みを気にしながらドアから顔を覗かせている。
「ん?ケーコちゃん、いいわよ。朝からマメね。ここは署内じゃないのよ?」
「好きでやっていることですから……」
 淹れたての緑茶を中田のベッドサイドに置く宮崎の返答を聞いて、杏子は中田に含みのある視線をよこす。
「通報にあった上野公園の行き倒れがキミだとわかって、ずっと彼女が看病してくれたんだ。あとでキチンとお礼なさい」
「あ、ありがとう」
頭を下げる中田に、
「そうでなくて……。はぁ、なんでこんなトウヘンボクなんかを」
 杏子は天を仰いだ。
「ちょっと、そんなんじゃないですよ?」
 杏子の言葉に過敏に反応した宮崎は、必死になって中田に弁解するように言う。
「お礼なんて、いいんですからね。ほんとですよ!」
 しかし、中田はかぶりを振る。
「いや、警視の言う通りだ。こういったことはキチンとすべきですから。改めて御礼に伺わせていただきます」
 頭を下げる中田に、宮崎も「いえ、そんな……」と頭を下げる。
「それも、大事なんだけどね」
 苦笑しながら、杏子は部屋の隅から中田の着替えの入ったバスケットを持って来て、彼に渡す。
「起きられるでしょ?着替えてちょうだい。監査部長直々の出頭命令よ」
 そういう杏子の眼は、なぜか笑っていた。

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Virus 25
2007/02/20(Tue)
 中田がその記事を眼にしたのは、次の日、つまり二四日の朝、警察病院のベッドの上であった。
「中田先輩、おはようございます。お加減いかがですか?」
と、新人の女性刑事が淹れてくれたお茶に口をつけて、朝刊に眼を通す。刑事の名前は宮崎といったと中田は記憶している。
一面には成田空港での爆弾テロの記事がでかでかと載っており、その横にはエルトリア大使館で乗用車の爆破炎上とあった。犠牲者は一人で、エルトリアの元一級書記官、ハンス・ルロイとある。なにぶん大使館の敷地内でのことなので、警察が詳しい調査を行えなかったようだ。エルトリア側の声明を鵜呑みにするなら、彼は成田でのテロの実行犯であり、追い詰められて自殺したということだ。
「ルロイ……あそこの塾長が?」
中田が呟くと、ドアのほうからから返答があった。
「彼が成田でゴミ箱に何かを入れた写真があるのよ。そして、そのゴミ箱から爆発が起こった。十中八九、L.S.U.ね」
 杏子だ。
「警視……おはようございます」
「あ、飯野警視。おはようございます」
宮崎も振り返り、敬礼する。
「ケーコちゃんおはよう。その写真がエルトリア側から持ち込まれたってとこが腑におちないんだけどね。でも、辻褄はあう」
「あいすぎじゃないですか?」
「そう。そんな写真は、どのタイミングでどこに爆弾が仕掛けられるのか、前もって知っていなきゃ撮れるものじゃない。実際、日本のテレビ局の映像には、どこにも写っていなかった。でも、証拠としては充分なのよ」
 頷きながら、中田は視線を新聞に戻す。
「それでは、実行犯は彼と狙撃犯の二人、ということになりますね。もうひとりは捕まえられたんですか?」
中田は一季を尾行していたので、昨日のテロについてはよく知らない。それでも、狙撃があって、その後爆発が起こったことは外国語学院で見たテレビで知っていた。
「いいえ。撃ったのはテロ犯ではなく、公安の一人よ。あそこの本部長が発表したわ」
「どういうことです?」
「本部長直々の命令で、ルロイが不振な行動にでたら狙撃するよう待機させていた、というのよ」
「が、間に合わなかった、と?」
「そういうこと。結局、テロは起こって、皇太子はここに運ばれた時点で医師に死亡を確認された。まぁ、このことは極一分の者にしか知らされていないけどね」
杏子は肩をすくめ、吐息をついた。
「昔からのしきたりらしいわ。王家とか皇族とか、そういう身分の人間が死亡した場合、その一族が確認を終えるまで公にしない。内乱を防ぐため、なのかな?」

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女神転生IMAGINE
2007/02/18(Sun)
ただいまオープンβですね。
Vistaにしてからマビノギのほうが
・夜のダンバで街灯が灯ると不正終了(視点変えると落ちる)
・バンホでは昼夜ともに不正終了(実質、立ち入り禁止状態)
・ウインドウモードでは次第に動きがカクカクに
なので、やってられませんな状況なのでメガテン。
オープンβの告知は、実はサービス開始後しばらくたってから、
クローズドに志願した者のメアドにおくられてきたのですが、
その告知前は天国でした。教えてくれた友人に感謝。
が、告知ごラグラグラグ・・・
ふつーに道歩いていても経験値が-です。
Lvは下がらないのが救い。
いやー道歩いているだけで死ぬんです荒廃した世界ですね^^;
ほーらこんなに杉並区荒廃↓
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小野寺宏友写真展
2007/02/17(Sat)
コダック フォトサロンで
小野寺宏友写真展「シンヤノハイカイ」明日を信じて、ここにいる。
がやってますね。
深夜の東京で、物を者として、ポートレートのように撮る。
作者の感性に引き込まれます。
入場無料で日曜祭日以外午前10時~午後3時までです。
ぜひおとずれてみてわ。
個人的には21日からの狩野吉和写真展「ミスルの人たち」エジプトの地で、にも期待。早稲田大学の古代エジプト調査隊に2年間カメラマンとして同行した人らしい。

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Virus 24
2007/02/16(Fri)
 一季は振り返り、つぐみを見失ったことを知った。
「ちっ」
 舌打ちして駆け出そうとする彼の後方で、何か重いものが倒れこむような音がした。
 一瞬戸惑ったが、その方向につぐみがいるはずがない。彼女は一季の前を歩いていたのだ。気になりはしたが、一季は無視することにして駆け出した。
 その彼の右前方から悲鳴があがった。
 つぐみに間違いない。
「つぐみ!」
四〇代半ばの薄汚い浮浪者風の男が、女の子を組み伏せていた。
「ちょっと、離せ!離してよ!」
 つぐみは逃げ出そうと必死にもがいてはいるが、いかんせん大の男が相手では無抵抗に等しく、男を喜ばせるだけだ。
「このぉっ」
 激昂して勢いよく飛び出した一季は、すかさず男の脇腹を蹴り飛ばす。次いで股間を蹴りつけ、蹲ったところを襟首をつかんで近くの大木に叩き込んだ。
 男はたまらず昏倒した。
 一季は肩で息をしながらも、つぐみの傍まで駆け寄ると、手を取って立ち上がらせた。
それから、そっと抱きしめてあげる。
「ごめんね。ごめんね」
 腕の中でしゃくりあげる彼女の声に胸をなでおろす。
 そこに油断があったのかもしれない。
――!
首の後ろに激しい鈍痛を感じるやいなや、一季はつぐみに倒れこむようにして意識を失った。
 その寸前、つぐみがもう一度「ごめんね」と言うのを聞いた気がした。

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2007/02/14(Wed)
はい。バレンタインですね。
元々は豊穣の祭りという名の男女のまぐわいの日だったとか。
殉教したバレンチーノ司祭が、当時禁止されていた兵士の結婚を行っていたことから、
彼を聖人として2/14を祝うようになったようです。
今年の成果は、まずまずといったところですか。
女性の多い職場なので、チョコは結構もらえます。
しかし、女の子数人でひとつのチョコを買ってくれる、というのはどうなんでしょう?
「義理です!義理!」もしくは、何らかの協定なのでしょうか?
まー、もらえるだけでもうれしいですけど♪
どうでもいいですが、豆腐チョコフォンデュうまいな。。。
納得いかないが^^;

それはそうと、春一番吹きましたね。
関東では雪も待たずに・・・・
春、自分にも来てほしいところです。

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花粉症の季節です
2007/02/14(Wed)
気象庁の予想よりちょっと早く来てしまいましたね。
今日は職場が患者であふれかえっていました。
東○薬品ではクラリチンの在庫切れとか。
一気に花開いた、ってかんじですねー。
これからひどくなるのかな。
自分も花粉症は他人事ではないのです。
TVの花粉症特集とかで映像で黄色いのがわさわさ~~っての見るだけで、目はかゆくなるは鼻水でるわ。
ほとんどパブロフの犬ですね。
布団干すのもいや~~な自分ですが、今年は・・・・

同士諸君!!今年の勢いは小さいゾ!負けるな!!

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Macとの共有
2007/02/13(Tue)
MMORPGマビノギなんかやっると不正終了しまくりですが、
なんとか動いてるVistaです。
ATIで落としたドライバがあわないんでしょうかねー。
とりあえずVistaについてたドライバにもどしました。
Gyaoなんかでも、フルスクリーンだと読み込みながいですね。
この辺は今後改善期待とうことでしょうか。

サブでつかってるのはMacBookの白。これとVistaの共有に何とか成功。
でもuserファイルは同期してほしくないんですがね。パブリックと個人設定のFileだけでいいんですが。なんとかUserをはずしたいところです。それはそれとして、Mac版office高いので、いままでつかっていたofficeXPつかおーってことでParalles導入。Parallesで構築した仮想XPのデスクトップとMac間でFileの共有して~~と思ったら、仮想OSとデスクトップのVistaとも共有Fileつくれば移動できることに気がついて、今日の収穫はかなりのもです。
ひょうたんからコマ?w

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Virus 23
2007/02/11(Sun)
美術館を出ると、辺りは夜の帳と絶え間ないノイズに包まれていた。人間の足音、ざわめき、車のエンジン音、クラクション……。車のヘッドライトの光輪が次々と現れては辺りを照らし、過ぎ去っていく。その度にふたりはシルエットになった。
「電話だ。誰だろ?」
 不意につぐみがジャケットの胸をおさえ、一季からはなれた。「そこにいてよ」と言い残し、近くの街灯に歩み寄る。ジャケットの内ポケットから携帯電話をとりだすのが、一季の位置からも見えた。ハンスから帰宅の催促だろうか
 話す相手を失って手持ち無沙汰になった一季は、とりあえず傍のガードレールに腰掛けた。梅雨入り前の宵の口は、まだ肌寒い。彼は上着のボタンをひとつひとつ留めながら、空を見上げた。東京の夜空には星がないと言うが、上野公園周辺でもこの辺りは明るいライトもネオンも乏しく、新宿の見慣れた夜空より幾分か星の数が多いように思えた。
 と、近づいてくる足音に気付いて視線を下げると、つぐみが一季を見上げていた。
 心なしか表情が硬い。すがるような声で、ねぇねぇと上着の裾をひっぱってくる。
「ん?終わった?塾長、なんだって?」
 と訊くと、つぐみは口唇(くちびる)をつきだして眼を背けた。
「パパじゃなかった。――なんか、はぁはぁ言って『お嬢ちゃん、今日のパンツの色は何かなぁ?』だって。キモチワルイ」
 一季はガードレールから立ち上がり、つぐみの頭をやさしく叩いた。
「イタズラだよ。気にしないほうがいい」
「うん」
「また掛かってきたら、塾長に言って番号変えてもらえばいいよ」
「うん」
 返事はするものの、やはりいつもの元気がない。やはり女の子には相当ショックであるらしい。
一季は何とかつぐみの機嫌を直そうと夕飯に誘ってもみたが、パパが心配するから、と断られてしまった。
困ってしまった一季に、慰められる側であるはずのつぐみが助け舟をよこす。
「じゃ、お菓子、買ってよ。そしたら元気になったげる」
 外食する時間はないけど、お菓子を買うくらいの時間はあるよ、とも加えた。
 それで元気になってくれるならと、ふたりはアメ横に寄っていくことにした。
 自分の数歩先ではしゃぐつぐみを見るとハメられた気がしなくもないが、一季はそれでよかった。子供が鬱になっているよりは、ずっと良いにちがいない。
 小道に入って、一季は周りに注意を払うようにした。つぐみが近道だ、と教えてくれた道だが、夜に歩くにしては街灯が少なすぎた。充分に大人と言える年齢の一季でも、ひとりで歩きたい道ではない。それに先の電話のことも気になる。つぐみにはイタズラだと言ってはおいたが、子供を狙ったチカンやストーカーの類とも考えられるのだ。電話をとったつぐみを『お譲ちゃん』と呼んだというのだ。電話の声だけで『お譲ちゃん』の年齢と特定できるだろうか。そう考えると、一方的にしろ、つぐみを知っている人間の犯行に思えてくるのは考えすぎだろうか。と、自分たちの十数歩後ろをピッタリと追ってくる足音があることに気付いた。偶然でも、こんな暗い道で一定距離を置いて後ろを歩かれるのは、やはり気味が悪い。
「つぐみ」
一季は後ろを振り返り警戒しつつ、つぐみを呼ぶ。
 返事はなかった。

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Vista
2007/02/10(Sat)
Vista本格始動です。
Image1.jpg

まだ音関連に不備はありますが、けっこう満足いく出来に仕上がりました。Dockも動いたしw見た目はいいネ(*゚ー^)b
しかし、目玉のもうひとつのセキュリティですが、
特定のFileは開くには管理者権限の問い合わせがあるわ、
ウイルスやスパイウェアには市販のものがよろしいようで。
と、言うか、avast!がVistaに対応したしね。ほとんど切っちゃいましたw
Defenderは使い用かな。いろいろ考える余地ありそうで、オモシロイ。
もちっとイジってみます。

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Virus 22
2007/02/09(Fri)
「で、何の用だね。ルロイ君。任務は首尾よくこなせたのであろう?」
「ええ」
 返事はしたものの、ゴードンを見据えたままで、ハンスは頷くことはしなかった。
「ならば、後は我々の仕事だ」
 ゴードンは暗に帰れ、と言っているのだ。
 しかし、ハンスは周りに一度視線を流しただけで動こうとしない。
「確認をとっておきたかったので」
「確認?」
「ええ。やってしまった後で、誤解でしたってわけにはいきませんので」
「聞こう」
 ゴードンは自分のデスクに腰を下ろした。ハンスにもその正面のソファーを勧めたが、彼は立ったままでかまわない、と断った。
「向こうがスナイパーを雇った、という情報をリークしてくれたのは貴方でしたね?」
「うむ。信頼できる筋からの情報だったからな。事実であったろう?」
「しかし、狙われたのは替え玉ではなく、私でした」
「……」
ゴードンは、ただ黙って口唇の前で手を組んだ。
「何もおっしゃらないんですね」
 ハンスは一歩前につめよる。
「替え玉のことを知らない人間なら、私ではなく皇太子を狙うはずです。つまりスナイパーは知っていたんです。皇太子が偽者であると。これは機密の漏洩、もしくは……」
 ハンスは密かに腰のベルトに挟んだ拳銃の位置を確かめた。いつでも抜ける。
 一瞬の間……。
「漏洩ではないよ」
 ゴードンは一呼吸おいて静かに、だが断言した。
「それに誤解でもない。全て、私の指示だ」
「謀ったか!」
 言葉を吐くと同時に、ハンスの銃口がゴードンの額を捉える。
「謀った?違うな。あれは個人が所有してよいものではないのだよ。ハンス・ルロイ」
 こんな状況下でも、ゴードンの声にはいささかも脅えの色がない。いや、銃を向けられて劣勢であるはずの彼の方が、ハンスよりずっと優位にさえ感じられる。こうでなければ大使など務まらないということであろうか。
「プロト・タイプは今やわが国の至宝。それを殿下はわかっておられない」
「くっ」
 グリップを握る手に力がこもる。
「そんなことじゃない。貴方は私を殺そうとした。そんな男は同士ではない」
「決裂、だな。情報部の死神もずいぶん変わったものだ」
「何と言われてもプロト・タイプを渡すわけにはいかん。あれは貴方にとっても有用だということだ」
 ゴードンは突然笑い出した。
「甘い。甘いな、ルロイ君。私がベラベラと手の内をさらしたのはな、既に事が済んでいるからだとは思わんのか?」
――!
 瞬間、背筋を冷刃が滑り落ちた。ハンスは自らの毛が総毛だったのを自覚した。彼は一瞬で身を翻し、次の瞬間にはドアの向こうに消えていた。
「追いますか?」
 巨大な姿見を模した扉から、サングラスをかけた男が姿を現した。
「必要ない。外の連中に任せておけ」
 それから一度眼を瞑ると、ゴードンは前の言葉に付け加えた。
「連中に余り派手にするなと伝えておけ」
「は」
 サングラスの男は敬礼して、外に出て行った。
「時には真実よりも嘘のほうが良いこともある。私がしてやれるのはこれくらいだ」
――許せ。
 広い部屋にたった一人残った男は、そう愚痴た。
 数分後、窓の下の駐車場で爆音が轟いた。
「任務完了」
 机の上におかれたスピーカーからの雑音まじりの報告に、男はそっと眼を伏せた。

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Virus 21
2007/02/08(Thu)
空は急速に暮色を増し、三日月が輪郭を際立たせて銀色に輝いている。洒落た街灯の光が路上に道行く人の影を濃く投掛けていた。
その建物は優に三メートルはあるであろう高い塀に囲まれていた。門はひとつだけで、門柱には金色の文字が刻み込まれている。
――エルトリア大使館。
白いセダンが滑り込もうとするのを守衛が止めた。
窓が半分ほど下がって、運転席の金髪の青年が守衛を睨むように顔を覗かせた。ハンスだ。
「大使にとりついでくれ。ルロイがきたと」
「少々お待ちを」と言って、守衛はハンスの方を横目で気にしながら内線を繋いだ。受話器に二言三言交わすと、事務的に右手のほうに車を停めるように指示してきた。
 ハンスは大使館の出入り口になるべく近いところに停めると、おもむろに車を降りた。
 空気が冷たい。
 彼は守衛が自分のことを監視するのを眼の端で確認しながら階段を登った。
 ふと、ドアの前で一度歩みを止め、一度振り返る。大使館の敷地には黒塗りの車しかなく、彼の白いセダンはこんな宵の入りでも目立っていた。
彼は一瞬眼を細め、それから頭を戻して、ノブを回した。
 豪奢なシャンデリアが照らすエントランスをぬけ、赤い絨毯の敷かれた階段を登った先に駐日エルトリア大使の執務室はあった。
 中に入ると、ハンスに背を向ける形で、バルコニーに面した大窓から外を眺める男がいた。大窓から指す落日の残光が、その男の影をハンスの足元までのばしている。
「暇そうですね、ゴードン大使。もっと忙しそうにしていないと、怪しまれますよ」
「それは迷惑だな」
 しかし、ゴードンはハンスの言葉の意など全く介してないかのような無表情で振り返った。

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Vista
2007/02/07(Wed)
デスクトップPCをVistaにしてみようと奮闘中。
が、あきまへん^^;
ネットにつながらないわ、共有がうまくいかないわ、ソフトmidiは動作しないわ。
問題は山積みです。
みなさんはVistaにしましたか?

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Virus 20
2007/02/04(Sun)
「何、だったんだ」
 呆けたように口を開けたまま、女性の後ろ姿を見つめる一季を、
「どしたの?美人でスタイルよかったから、ドキドキしちゃった?」
 と、口調はおどけてはいるが、意地悪そうに見上げるつぐみがいた。それでも一季は眼で追うことをやめない。
「いつまで、ボーってしてんだ!」
彼女は、一季の右脛を思いっきり蹴りつけた。
「おい、こら」
一季の抗議の声には耳を貸さず、その手から奈緒の名刺を奪うと、捻じり潰してゴミ箱に捨ててしまった。
「古美術~?そんなババ臭いモン、興味あるわけないじゃない」
 やけにスッキリとした声で高らかに言う彼女は並みある美術品の観賞もそこそこに順路を先に歩き出した。
――では、なんでそのババ臭い展覧会に連れて行けとせがんだのか、と苦笑しつつ、一季は彼女がまた機嫌を悪くしないようにその後を追った。
その一部始終を、年配の女性の団体にもまれながらも中田が後ろから監察していた。
ふたりが次の部屋に向かったのを確認してから、彼はゴミ箱を探る。目的のものはすぐに見つかった。美可の名刺だ。名前を確認してからスーツの胸ポケットにしまうと、彼は尾行を再開した。
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Mac館
2007/02/03(Sat)
みなさんは、いつもどんな環境でブログを更新しているのでしょうね。
家ではデスクトップ。
外ではモブログ。そんなトコが多いのでしょうか?
★はっしーもなんとかモブログに慣れてきました。
(写真の向きがおかしかったこともありますが)
あとは近くのApple Storeで更新したりもしてます。
銀座店には3Fがミニシアターになっていて、
Macの機能の説明やソフトの使い方などをデモしてたりしてます。
昨日はそこに行ってきたんですが、
居心地よくて寝てしまいましたけどね。
いやぁ、椅子が最新の映画館のようで、照明おとされていて、
耳の入る音は男性の抑揚の少ない(説明なので)環境だもの。

スタッフのみなさん、寝にきてしまったようでごめんなさいm(__)mぺこ
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江波冨士子展
2007/02/02(Fri)
昨日につづき、個展が多くある雑居ビル。
なんか都会のオアシスだよ^^
img046.jpg

写真は4Fのガラス工芸家の作品。
もともとこの展示をみたかっただけなのに、寄り道ばかりしてたどり着くのに2日もかかってしまった^^;
日本の千代紙みたいな模様で芸が細かい。
色ガラスを棒状にしてそれを隣り合わせて並べることで六面体にして、
それを炉で接合したものをスライスすることで平面に模様を描く技法。
色によって融点はことなるわけだし、かなりの高等テクですよね。
一般人のはっしー的には、千代紙~~~キレーーで十分堪能できちゃうわけですが。
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個展ビル
2007/02/02(Fri)
今日は奥野ビルというところでガラスアートの展示会があるときいて、いってきたんですが、わかります?↓
img045.jpg

エレベーターなのは確かなんですが、見えるかな?
手前のドアに指を引っ掛けるところがあるの。
奥の黄色は格子になっていて、ちょうど家の車庫と道路の仕切り格子みたいなやつ。
そうなんです。ドア、手動です。人力です。
中に入ったら、木のドアに閉めて、黄色の格子閉めて、上昇ボタンぽちっ、みたいな。
降りたら、また二つのドア閉めなきゃなりません。
よい。よいですな~~~。
つい写真とっちゃうくらい浮かれる自分がいました。
中はフツーのエレベーターでしたけど、
これが旧三越みたいに手動で上下してたら言うことありませんなー。
このビルは小さな個室ごとに画廊になっていて、もう別世界ですよ。
なんというか、昭和の美大の旧校舎かクラブ錬みたいな感じ。
床なんか木バリで、キシむ音が最高!!
午後のひと時、異空間をたのしみました。
明日はなかのギャラリー紹介しますね(o^-')b

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